ふくぎ並木の先で

過敏性腸症候群や鍼灸師向けの情報発信

ハリとカレーの刺激的関係性を紐解く

代表の北川です。

かなり久しぶりにブログを書いているのは、ここ数ヶ月「ネタを閃いた!」と思っては忙しさに流され100本程度文章にしてこなかったことを悔いたためです。

どうしても書きたかった内容、それは「ハリって痛いの?」論争についてです。

鍼灸師として一番よくされる痛みの質問

「ハリって痛いの?」 

鍼灸師が受ける一番多い質問です。

多くの者がその問いに答えてきました。

ハリをストレートに事細かに答える人、変化球で交わす人、とにかく「こうだ!」と強振する人。

どれも間違いではない。

私もこれらを駆使しながら患者さんに説明してきました。

しかし、それらの答えに感じるのは「肩に小錦が乗っているようだ」と答えた投手のような違和感。

四球でランナーは溜めるのに、ゲッツーで毎回チャンスを潰す残念感。

そこでハタと思いました。

これって「カレーは辛いですか?」という質問と同じじゃね?

それでも僕はイッてない

「カレーって辛いと思う?」

辛いのが苦手な妻にニヤニヤと質問してみました。

『こいつ疲れでイッちゃったんじゃないか』という怪訝そうな顔で私を一瞥したあと、

「辛くないのもあるけど、普通は辛いんじゃない」

と答えてくれました。

想像通りの答えにニンマリする私を『やっぱりイッちゃってる』という顔で妻が見たのは内緒です。

 

「ハリは痛いですか?」

私がいくつかの鍼灸院を経験している患者さんだったら

「痛くないこともあるけど、小さな痛みは普通あるよ」と答えます。

そして「鍼灸院によって痛みはだいぶ違うけどね」とも添えおきます。

ハリも刺激量の調節が可能だと知ってもらうことから始めるべき

カレーは辛さの調節ができる。これは、多くの日本人が知っています。

だからこそ「カレーは辛い?」なんて質問されることはありません。お店や商品ごとです。

しかし、ハリの刺激が調節出来ることはまず知られていません。

だからこそ「ハリって痛い?」と質問されるのではないでしょうか。

この話を抜きにしてハリが痛いか痛くないかを語るから、伝わらないのではないかというのが私の答えです。

ハリも統一された刺激量を伝えられるようになれば解決?

それを伝えるためにも、カレー的な刺激量の指標があればどうだろう。

「うちのハリは辛口ですが効きますよ!」

「当院は甘口の刺激量ですからお子様でも安心して受けられます」

「甘口から辛口まで患者さんの希望に応じて調節可能です」

これなら、前提としてハリは刺激調節が出来ることが伝わりそう。

もしかすると「うちの激辛治療に耐えられるか!?」なんて刺激量をアピールする人も出てくるかも。激辛カレーのお店とか結構取材されますもんね。

 

ちなみに、ふくぎ鍼灸院は甘口です。使用する整動鍼という技術そのものが基本甘口なのでその味を守っています。

患者さんの中に「痛い場所にたくさんハリをして欲しい」という辛口希望の方がみえました。

当院は甘口しか提供できないことをお伝えし、その方に合った院を探していただくこととしました。

これも、ウェブサイトに刺激量の記載があれば防げたかもしれません。なのでもう一度言います。

ふくぎ鍼灸院は甘口です!

あ!でも効果は抜群です!

甘口だと言ってると、効果もイマイチそうなので辛さ以外の表現が待たれます。